今回は薬学関連の図書を複数買い取らせて頂きました。

その中でも一冊、ご紹介させていただきたい本がこちらです。

「薬学史事典」（2016年4月）

なかなかに厚みのある本ですが、それもそのはず、薬の歴史はまさに人類有史以来の歴史ですからね。日本の薬学の歴史・医療史に加え、外国の薬学史・医療史について各章にてまとめられています。具体的に言うと、古代から昨今大きなニュースになった2015年の大村智先生のノーベル医学賞受賞まで。これは膨大な量です。

中身を拝見したところ、活字の大きさも細かくなく、所々に写真などの資料もあり、医学や薬学の専門家でなくても親しみやすい内容かと思います。本書の冒頭「はしがき」に、大学薬学部での歴史や投薬・処方についての哲学を教授する人員の不足や、ともすれば実学に対してこういった人文科学的な要素が軽視されがちな現状が記述されていますが、こちらの本ではそういった事情も考慮しつつ、編さんされたことが伺われます。そういった意味でも、一般的な読み物としてだけでなく、プロになられる方にこそ日々の忙しい実務の合間を縫って目を通していただきたい本だと思います。

今回も沢山の良書をお譲りいただき、ありがとうございました！